ストックデールの逆説
東京支店の新入社員Tです。「どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。そして同時にそれがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなげればならない。」これは、ベトナム戦争で捕虜となり、8年間を収容所で過ごすこととなったアメリカ海軍のジェームズ ストックデール中将の言葉です。彼は捕虜収容所の中で、部下たちと必ず生きて帰るという思いを胸に、過酷な拷問にも耐え、いつ殺されるのかもわからない状態の中で、捕虜の待遇改善に尽力していた人でした。捕虜収容所で次々に衰弱して死んでいく部下たち。彼は収容所で生き残れない人間のタイプについて、次のように語ります。「収容所で生き残れない人間とは、楽観的な人間だ。楽観的な人間は『クリスマスまでに解放されるかもしれない』という根拠のない希望にすがる。そしてクリスマスが来て、開放されないことが分かると、絶望から気力を失い死んでいくのだ」ストックデールの逆説は、ビジネスの世界でも広く支持されています。愚かなマネージャーは、景気が悪くなって業績が悪化すると、「こんな景気だから仕方がない、いずれ景気も良くなるだろう。それまでの辛抱だ」と考えます。いずれ景気が良くなるだろう、という根拠のない希望にすがるのです。人間だれでも悪いニュースは聞きたくないものですが、ここで最も厳しい事実を直視しなければなりません。会社の業績が下がっている原因は、本当に不景気だけなのだろうか?他にもっと根本的な問題があるのではないだろうか?などと、事実を出来るだけ客観的に受け入れ、対策を考え出さなければなりません。この言葉はマネージャーだけではなく、我々一般の社員にも当てはまります。契約が取れなかったのは、価格だけだったのだろうか?自分の営業に落ち度はなかったか?お客を怒らせてしまったのは、お客が怒りっぽい人だったからなのだろうか?自分の対応に問題はなかったか?「最後には必ず勝つ」という信念を持っていれば、自分が認めたくない厳しい現実も受け入れられるようになります。私は自分が苦しいときは、この言葉を思い出し、自分が置かれているもっとも厳しい現実を直視しようと努めています。
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