ブルーオーシャン戦略 その三

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東京支店のヒノッピーです。

ブルーオーシャン戦略については、もうやめようと思っていたのですが、話のネタになりそうだったので、最後に少し柔らかい話題を・・・。

機動戦士ガンダムと言うアニメーションがあります。

1979年から放映され、大ヒットを記録し、現在も続編のシリーズが作られ、そのキャラクター商品だけでも相当な市場です。

ガンダムのプラモデルを買うために並んだ方もいらっしゃるかと思います。

この機動戦士ガンダムと言うアニメが、ブルーオーシャンとどう関係があるのかお話しします。

最初に断っておきますが、これは全てヒノッピーの独自の分析によるものなので、あまり真に受けないでくださいね。

まず、それまでのロボットアニメがどんなものだったかと言うと、正義の味方のスーパーロボットが空を飛び、合体し、無限にビームやらミサイルやらを 発射でき、敵は一撃でやられるのに、こちらは何発攻撃をくらっても、まだ立ち上がる、そして、武器の名前を叫びながら発射して、最後は必殺技で敵を倒す。

子供心に、僕なんかは、最初から必殺技で敵をやっつけた方が早いのに、と思っていましたが、そこには番組の尺という大人の事情があったんですね。

しかも、敵役と言えば、宇宙人だったり、地下帝国人だったり、およそ我々人類とは似ても似つかないような、見るからに残虐そうな連中でした。

その残虐そうな連中が、これまた残虐そうなロボットやら、怪獣やらを作って、僕らの町を攻撃するというお決まりのストーリー。

彼らが必ず口にするのは「世界征服」でしたが、それならもっと政府の重要施設を攻撃するとかすればいいのに、コンビナートやら、デパートやらを攻撃 するだけで、中には幼稚園を襲うような奴もいて、本当に世界征服を考えてますか?って突っ込み入れたくなるようなストーリーでした。

話が横道にそれましたが・・・

そんな中で、ガンダムのストーリーは当時の子供たちにとって、新鮮な驚きでした。

まず、敵のロボットが、何機も同じものが出てくる。

それまでのロボットアニメは、毎週新しい敵のロボットが出てきて、意味のない角やら、およそ効率的とはいいかねる武器とか持っていたのに、毎週同じ「ザク」が出てくる。

普通なら、手抜き?と突っ込まれそうですが、そこに「量産型」と言う整合性を持ってきて、見事に理由づけに成功しました。(そりゃ、量産型ならいっぱいあっても不思議じゃないよね?それに量産型って言い方、ちょっとカッコイイし)

このおかげで、毎週新しいロボットを考えなくても済むようになり、時間とセル画の節約に成功しました。

つまり、それまでのロボットアニメでは常識だった、悪者と、敵役キャラのロボットをガンダムでは無くしたわけです。

これにヒーローのスーパーロボットも無くし、かわりにロボットではなく「モビルスーツ」と言う一個の兵器という要素を加えました。

つまりリアリティと言う要素を加えたわけです。

リアリティと言う要素を加えるために、ガンダムでは、人型ロボットの必然性も考え出しました。

またちょっと話が横道にそれますが、兵器として考えた場合、人型の兵器は実は、大変効率が悪いです。

何故かと言うと、近代の戦車などは、車高を低くする方向にあります。

それは射撃手側から見て、投影面積を出来るだけ小さくするためです。

的が小さくなればなるほど、被弾率は下がります。つまり小さい的は狙いにくいと言うことです。

同時に、レーダーなどから発見されにくいというメリットもあります。

それに対して、全高18メートルの人型兵器は、現実には敵の良いマトです。

だからと言って、ほふく前進しているガンダムを見たことが無いですし、さすがにそれをやったら、リアルだけど、テレビ的にどうなの?って別の話になっちゃいます。

でも、突っ立ってたら、敵のモビルスーツとカッコ良く戦う前に、はるか遠くから飛んできたミサイルでやられちゃうという、これまたカッコ悪いことになりかねません。

そこで、製作者側が考えた方法は「ミノフスキー粒子」と言う便利な設定です。

この時代、レーダーなどの電波兵器を無効にする、ミノフスキー粒子という粒子が存在し、電波誘導が出来ない、つまり長距離からの攻撃が出来ないという設定です。

この設定により、この時代の戦闘は、白兵戦主体となり、より効率的に白兵戦を行うには、生身の体で戦うよりも、モビルスーツと言うロボットに乗る必要があるんだよって必然性が生まれたわけです。

残虐で明白な悪者が存在しない代わりに、敵にも味方にも戦う理由が描かれるようになり、人間ドラマとしても重厚なストーリーになりえたわけです。

アニメーション史上を振り返ると、明らかにガンダム以降のロボットアニメの指向は、よりリアルな世界観が主流となってきたように思います。

製作者側も、新規アニメの設定を作る際に、それぞれのメカや世界観に、必然性と整合性を求めるようになってきました。

これは、ガンダムを見た視聴者が、これ以降のアニメーションに必然性をもとめていることの要求によるものです。

すなわち意味のなさそうな羽や角がついたロボットはこれ以降減ってきたと思います。

つまりこれらのことをブルーオーシャンに当てはめてみると、

1. 派手なヒーローロボットと、残虐そうな敵の怪獣や、ロボットを無くした。

2. 物語にリアリティを付け足して、人間ドラマと言う新しい価値を加えた。

以上のように、まさしくブルーオーシャン戦略の、今まで常識だったものを無くし、代わりに新たな価値を加えるという方程式にぴったりとはまりますね。

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