私は、A君の言葉を忘れない。お別れの言葉|【いいはな新聞】ちょっといい話・感動する話 まとめ

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9 :以下、名無しにかわりまし てVIPがお送りします[]:2008/12/16(火) 18:52:40.39 ID:4QQr4hWG0
小学生のとき、少し知恵遅れのA君がいた。

足し算、引き算の計算や、会話のテンポが少し遅い。
でも、絵が上手な子だった。
彼は、よく空の絵を描いた。抜けるような色遣いには、子供心に驚嘆した。 担任のN先生は算数の時間、解けないと分かっているのに答えをその子に聞く。
冷や汗をかきながら、指を使って、
ええと・ええと・と答えを出そうとする姿を周りの子供は笑う。

N先生は答えが出るまで、しつこく何度も言わせた。私はN先生が大嫌いだった。
クラスもいつしか代わり、私たちが小学6年生になる前、
N先生は違う学校へ転任することになったので、
全校集会で先生のお別れ会をやることになった。
生徒代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。
先生に一番世話をやかせたのだから、A君が言え、と言い出したお馬鹿さんがいた。
お別れ会で一人立たされて、どもる姿を期待したのだ。
私は、A君の言葉を忘れない。
「ぼくを、普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございました」
A君の感謝の言葉は10分以上にも及ぶ。
水彩絵の具の色の使い方を教えてくれたこと。 放課後つきっきりでそろばんを勉強させてくれたこと。
その間、おしゃべりをする子供はいませんでした。


N先生がぶるぶる震えながら、
嗚咽をくいしばる声が、体育館に響いただけでした。


    アットビューティーキャット@Beauty cat


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