公開から98日目で興行収入59億円を突破し現在もロングラン上映を続けるヤマザマリさん原 作の大ヒット映画「テルマエ・ロマエ」がカナダ・トロントで開催されている「トロント国際映画祭」の「ガラプレミア」に招待され、8日(現地時間)のレッ ドカーペットセレモニーに主演の阿部寛さんとヒロインの上戸彩さんが登場した。阿部さんは上映前の舞台あいさつでユーモアあふれるスピーチを全編英語で 行ったり、上映後のスタンディングオベーションが鳴りやまない中、投げキッスで応えるなど会場を盛り上げた。
トロント国際映画祭は、モントリオール世界映画祭と並ぶ北米最大規模の映画祭。毎年9月に 開催されており、今年は6日に開幕し16日まで開催している。「ガラプレミア」は、映画祭最大の劇場ロイ・トムソン・ホール(2630人収容)で17作品 が上映されるメーンイベント。日本映画が招待されるのは「崖の上のポニョ」(08年)以来で、実写映画では初めて。
レッドカーペットを歩いた阿部さんは「前後にロバート・デ・ニーロやジュード・ロウが歩く と聞いてとても興奮しましたが、ゆっくり時間をかけて歩いて楽しむことができました」と話し、上戸さんは「30メートルを30分くらいかけて歩いたのです が、あっという間に感じました」とコメント。
また、上映時の反応について阿部さんは「まるで初めての作品を見ているのかと錯覚するくら い新しい反応がたくさんありました」と話し、世界各国からのオファーが殺到し、すでにイタリアやフランスなど12カ国での公開が決定している同作品に対し 「北米の方々にも大いに笑っていただけたので、世界にも届く作品なのではないかと可能性をすごく感じました」と手応えを口にした。
「テルマエ・ロマエ」は、マンガ誌「コミックビーム」(エンターブレイン)で連載中のヤマ ザキさんの異色の“風呂”マンガ。映画は、古代ローマ帝国の浴場設計技師ルシウス(阿部さん)が、ある日、現代の日本の銭湯にタイムスリップし、そこで出 会った日本人を「平たい顔族」と呼び、目にした新たな発見を次々とローマ帝国の風呂づくりに生かしていく……というストーリー。ルシウスと遭遇するマンガ 家志望の女性を上戸さんが演じるほか、古代ローマ人役で市村正親さん、北村一輝さん、宍戸開さんらも出演している。