SOCIAL-MARKETING-2020 社会的課題をチャンスに変える !

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「社会保障と経済の両輪駆動を可能にする成長戦略!」

世界経済は、科学の進化とIT化により、時間・コスト・手段の効率化が進んでいます。日本市場においては、少子高齢化により消費の絶対数も減少し始めている為、コスト×数量=GDPが伸びにくい構造になって来ていると考えられます。また 生活品の充足化で消費が追加される新産業は生まれにくく、IT化による商品やサービスは「安く早く」により消費者に選択されてはいるものの、結局は新旧の入れ替え需要であり全体として市場(GDP)を押し上げる要因には繋がって無いと感じています。逆に流通の効率化が労働力をも効率化してしまうと更なる消費の落ち込みが懸念されます。新しい発想による市場・産業の創造が求められます。

「ソーシャルマーケティング」戦略は、これまでの成長過程や環境変化の中で生まれた社会的課題を克服する事業が成長をもたらすという理念の元に企画したビジネスモデルです。夢と希望に満ちた未来が約束されている筈の子供達、労働環境の格差に耐えながらも老後の不安と備えに勤しむ現役世代、そして子や孫の行く末を案じながら自身を犠牲にして貯える高齢者。今の社会には、古今東西・全世代・老若男女に不安が存在しています。不安解消が進むことは国民的潜在ニーズなのです。しかしこれまで、課題は政治行政の役割という認識である為、その思いを行動に移す積極的思考には至らず、また解決への具体的景色が見え無い為モチベーションも生まれて来なかったのです。そういう点からも、社会的リスクの解消は最大の国民的国家的成果に資する事です。また課題解消が進み社会保障費の構造的膨張をミニマイズする事が出来れば、本来必要とされるところへ充実配分が可能となります。成長戦略と社会保障は両輪です。最小の国民資産で最大の両輪駆動を可能にせしめる政策がこれから求められる成長戦略です。

アゲンストの風でも力の反作用で前進するヨットのメカニズムの如く、常にフォローの風に乗せる発想の繰返しでは大海原は進めません。社会的リスクが高まる未来に向かうには、「環境変化に対応する構造改革」のバトンを後世に継ぐ取り組みが求められます。