高層マンション 防音工事

2010年 12月 30日(木曜日) 17:58

■高層マンションの防音工事について~通常の防音工事では低音域の遮音量が不足する■
高層マンションでは、建物の軽量化のためマンション界壁(隣戸との境壁)がコンクリートではありません。この遮音性能はというとたとえば、同じDr-50で1級であっても、コンクリート壁と軽量壁との差があります。Dr値では評価されない125Hzより低い周波数で遮音量がかなり低下してしまいます。つまり、ピアノの音など通常のマンションより良く聞こえる場合があります。このようなところにピアノなどの防音室を作る場合は、注意が必要です。コンクリート造や一般木造住宅での仕様で施工した場合、苦情がくる恐れがあります。特に低音域の遮音は、プラスターボードを2~3枚貼り増ししただけでは、あまり効果が上がりません。また、ニ重壁を形成した場合、浮遮音層と固定遮音層の共振周波数で性能が低下します。この周波数の設定が重要となります。これらを踏まえて、遮音性能を計算できる防音業者を選定しましょう。

■マンションの床衝撃音について~上階の足音・子供の飛び跳ねる音がうるさい■
マンションでは、空気音の遮音性能だけでなく、上階の足音・子供の飛び跳ねなどの固体伝搬音が問題になります。
床衝撃音の対策は、衝撃音発生側での浮床工事です。グラスウール、防振ゴムを使用した浮床構造が一般的です。金属スプリングなどのように揺れが止まらない材料、共振周波数で共振が大きい材料を使用した場合、壁・天井が共振し異常音を発生することもありますので、防振材の選定には注意が必要です。また、足音など軽量衝撃音には、浮床工事は有効ですが、重量衝撃音は、躯体の構造による要素が大きく、構造補強・コンクリート打設など大がかりな工事になるため、マンション改装時には、十分な対策はができません。したがって、マンション設計時に十分な検討が必要となります。飛び跳ねなどの重量衝撃音対策については、マンションの場合は、後からの工事は、難しいと考えてください。

■マンションの壁 GL工法の遮音低下に注意~隣のTVの音・人の声が良く聞こえる■
GL工法とは、プラスターボードをコンクリートなどの躯体壁に、ボンド(GLボンド)を団子状にして貼る工法です。このGL工法は、施工価格が安く工期が早く、マンション・ホテル・オフィスビル・店舗などいろいろな場所でたいへん多く使用されている工法です。また、マンションで隣の音が良く聞こえる場合は、ほとんどがGL工法です。
この工法を用いると遮音性能が、D値で1~2ランク程度、躯体壁直の場合より低下してしまいます。プラスターボードと躯体間の空気層による板の共振により、160Hz~400Hzぐらいで低下し、プラスターボードのコインシデンス効果により3kHz~8kHzで低下します。これにより、マンションでは、隣戸のテレビの音、人の声が異常に良く聞こえるといった現象が起こり問題となっています。
このGL工法の改善は、このGL壁を両面壊せば、1~2ランク上がるので通常の生活には支障が無い状況になると思われます。

マンション防音工事詳細
http://www.bekkoame.ne.jp/tw/f-stage/a-mansion.html

登録者:kanon33