クラウドの備える柔軟性に自動的に対応できる監視をZabbixで実現 TISのAWS監視テンプレートを活用し、1カ月程度で導入

2017年 4月 07日(金曜日) 11:29

株式会社ゆめみ様導入事例

クラウドの備える柔軟性に自動的に対応できる監視をZabbixで実現
TISのAWS監視テンプレートを活用し、1カ月程度で導入
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モバイルを軸に、アプリケーションやサービスの企画・開発やデジタルマーケティング
を手がけるゆめみでは、システム基盤に広くAWSを採用している。柔軟に拡張できる
クラウドの利点を生かしつつ確実に監視を行いたいというニーズに合致したのが、
Zabbixと、その認定パートナーであるTISが提供するテンプレートだった。

■ クラウドに応じて自動的に拡張できるシステム監視を模索

モバイルを軸に、ユニークなアプリケーションやサービスの企画・開発や
デジタルマーケティングを手がけるゆめみ。近年は、ニーズに応じて柔軟な
運用が可能なAmazon Web Services(AWS)を活用してのソリューション
提供も行っている。その同社が、クラウドならではの特徴を生かしたシステム
を監視するために導入したのが、Zabbixだった。

ゆめみのインフラ全般の構築・運用を担っているシステムアーキテクト部の
小原 一真氏は、「セキュリティはわれわれのソリューションにおいて大切な
要素であり、しっかり担保しています。ですが、だからといってあまり窮屈に
縛ることなく、開発しやすい環境を提供することに重点を置いています」と、
運用の方針を説明する。

柔軟性を重視するというコンセプトから言っても、迅速に導入でき、必要に
応じて拡張可能なクラウドサービスを活用するのは自然な選択だ。こうした
要因もあり、ゆめみはAWSのAPNコンサルティングパートナーとして、クラウド
サービスをスマートフォン向けアプリなどと組み合わせてソリューションを
開発・提供してきた。

ただ、「クラウドサービスならではの特質に合ったシステム監視を行おうと
すると、それまでの監視体制では課題がありました」と小原氏は振り返る。

もともとオープンソースソフトウェアを積極的に活用してきた同社はそれまで、
NagiosやMuninといった監視ツールの他、AWSが提供する「Amazon
CloudWatch」を組み合わせてクラウドサービスの監視に取り組んでいた。
しかし「例えばグローバルIPを持たないサーバーを監視しようとすると、
ちょっとトリッキーな設定が必要でしたし、複数の管理画面や設定ファイルを
使い分けるのが煩雑でした」(小原氏)。監視サーバーと監視対象との間で、
通信が暗号化されないこともセキュリティ面で気になっていたという。

そうした課題を解決できるツールを模索する中で浮上した選択肢が、Zabbix
だった。クラウド基盤の拡張に応じて監視対象にホストを自動登録し、漏れなく
監視を行いたいといった同社が求める要件を満たす上、最新LTSバージョンの
Zabbix 3.0において、Zabbixサーバーとプロキシ、エージェント間の暗号化
通信が可能になったことも決め手になった。もちろん、オープンソースソフト
ウェアゆえにライセンスコストがかからないこともメリットの1つだ。

■ 自分たちなりのやり方では残る不安をZabbix認定パートナーが解消

こうした理由からZabbixの採用自体はすんなり決めたものの、小原氏には
懸念もあった。「ゆめみのシステムにとって監視はとても大切な要素であり、
きちんと実現しなければなりません。自分で途中までZabbixによる監視シス
テムの構築を試みたのですが、果たして自分たちなりのやり方で本当に
大丈夫か、不安が残りました。また、新しいツールを使いこなせるように
なるまでの学習コストも気になっていました」(同氏)

そこで大きな力になったのが、Zabbix認定パートナーの存在だった。ゆめみで
は、Zabbixも含めたさまざまなオープンソースソフトウェアの知見を持ち、
設計や導入開発時の支援が可能という理由からTISを選択し、監視システムの
構築をともに進めることにした。「書籍『Zabbix統合監視徹底活用』の筆者の
名前があったことも安心材料でした」と小原氏は振り返る。

ゆめみがWebフォームからTISに問い合わせを行ったのは2016年8月のこと。
そこからの展開は早かった。TISが用意したヒアリングシートに基づいて監視
項目を確認し、構成を決め、約一ヶ月程度の工数で監視システムを構築。2016年
12月にはもう、Zabbixを用いてAWS EC2で動作するWebとプロセス、ログの
監視を開始するというスピードだ。

当初はAmazon Linuxを搭載した複数のAWS EC2インスタンスの監視から
スタートし、オンプレミスのシステムの監視も開始。Zabbix Proxyを活用し、
徐々に基盤全体の監視へと広げていく計画だ。

■ TISが公開する「AWS監視テンプレート」の活用で迅速に導入

これだけ迅速な導入が可能だった背景には、TISが独自に作成し、オープン
ソースとして公開している「Zabbix向けAWS監視テンプレート」の存在がある。
「AWS用の監視設定を一から作るとなると、やはり労力がかかります。このテン
プレートは、内部で作ったものをオープンソースで公開したものですが、これを
活用することで開発期間を短縮し、スピーディに導入できました」と、ゆめみの
監視基盤構築を支援したTISのIT基盤技術本部 OSS推進室 古矢 俊輔氏は語る。

古矢氏はさらに、「ゆめみ様の側で、やりたいことや自分たちで手がける部分が
明確になっていたのも大きな要因です。われわれが汎用的な設定を行い、細かい
チューニングはゆめみ様側が行うという具合に、うまく役割分担ができました」
と振り返った。

在宅勤務など、新しいワークスタイルを積極的に取り込んでいるゆめみの企業
文化も要因の一つだろう。ひとたび導入を決めた後は、面と向かっての打ち合わせ
だけでなく、リモート会議やビジネス向けチャットツール Slack、プロジェクト
管理ツールのBacklogなどを使ってプロジェクトを進め、アジャイルなスタイルで
導入を進めた。

「電子メールですと、見落としたり、読んだか読んでいないかが分からなかったり
しますが、こうしたツールを用いることで作業をスムーズに進めることができました」
(小原氏)。TISの古矢氏も「導入前のテストの際には、テスト作業を進めながら
同時にチャットでやり取りし、問題が出たらすぐ報告し、その場で全て解決する
スタイルで進めることができました」と述べる。

さらに、Zabbixの運用ノウハウを身に付けるため、「最初にレクチャーを行い、
Zabbixの運用に慣れるまで支援しました。導入や監視設定に関する手順書を
作成し、実際の環境でスキルトランスファーを行いました」(TIS IT基盤技術
本部 OSS推進室主査 池田 大輔氏)。小原氏は、こうしたドキュメント類や
レクチャーによって「一通り説明を受けることができ、理解が深まった」と
述べる。

■ より楽なシステム監視を実現、Zabbix導入の評価は「100点」

こうしてZabbixによる監視をスタートしたゆめみ。「既存の監視ツールでは、
拡張のたびに1台1台細かく設定するのがけっこう大変でしたが、Zabbixでは、
AWSの特徴であるオートスケールに対応して自動的に監視できるのは大きな
メリットです」と小原氏は述べている。

さらに「従来はいろいろなコンソールを使い分け、画面を行き来しながら
リソースの状況を把握する必要がありましたが、これをZabbix1つに集約する
ことができ、とても楽になりました。Zabbix 3.0の新しいコンソールの
デザインも気に入っています」(小原氏)。依存パッケージを山のように
インストールすることなく導入できるのも、負荷の削減に役立っているそうだ。

ひとたび障害があればあちこちから文句を言われるが、何もなければ特に何も
いわれないのがインフラ運用の常だが、ゆめみではZabbixでの監視状況を、
各サービスやアプリの開発を取りまとめるプロダクトマネージャーとも共有し、
安定したインフラ運用につなげているという。これまでのところ、Zabbixの
導入効果は「100点満点」と評価している小原氏。今後は、Ansibleを使った
インフラ設定の自動化をさらに押し進め、ワンクリックでより「楽」に、
しっかりと監視が行える仕組みを整えていきたいという。

■ システム概要
Zabbixサーバーの数: 1台
Zabbixプロキシの数: 3台(2017年3月2日現在)
監視対象数: 約30台(2017年3月2日現在) 徐々に置き換え予定
トリガー数: 1ホストあたり30
アイテム数: 1ホストあたり60〜100
ユーザー数: 20(2017年3月2日現在)
Zabbixがインストールされているハードウェアの情報:
AWS EC2(Amazon Linux, WindowsServer2008R2, 2012R2) 等
オンプレミス(CentOS6, 7, WindowsServer2008R2, 2012R2) 等
Zabbixのパフォーマンスデータ(NVPS(1秒あたりの監視項目数)): 30.29
(2017年3月2日現在)

■ 株式会社ゆめみ概要
ゆめみは2000年の設立当初から、ケータイが生活者の中心となる未来を描き、モバイル
におけるリーディングカンパニーとして、デジタルマーケティング支援やWEBサービスの
制作/開発を行って参りました。現在、ケータイはスマートデバイスへと替わり、
連携する外部デバイスも増えていく中で、企業が望む「パーソナライズされた」
B to Cコミュニケーションが実現できる時代になっていると考えています。
現在は「1.オムニチャネル・インテグレーション」「2.デバイス連携」の2つを事業
ドメインとして、様々な企業様と One to One コミュニケーションの実現に取り組ん
でいます。

登録者:Zabbix

カテゴリー: プレスリリース配信 タグ: Zabbix
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