[速報:新型コロナ治療薬開発に向けた動き]クラスターと化した新天地大邱教会信者ら1100人が血漿提供予定

2020年 8月 29日(土曜日) 22:27

血漿成分献血という献血があることをご存じだろうか。採取した血液を全て提供する全量献血とは異なり、採取した血液から「血漿」という成分のみを抽出して提供する方法である。日本赤十字社によると、血漿成分献血で集められた血漿の52.6%は薬の原料として使われているという。

新型コロナの治療薬製作にあたっても、完治者の血漿が有効とされている。
27日、2月下旬に韓国大邱(テグ)地域でクラスターと化してしまった宗教団体「新天地イエス教(以下、新天地)」が、団体での血漿提供を開始することを公表した。新天地による団体での血漿提供は二度目であり、一度目には7月13~17日に628人が参加した。今回は1100人ほどが参加する予定で、累計1700人分が見込まれている。

新天地側は「去る2~3月、多くの感染者が発生し、国民に憂いと心配をかけたことを申し訳なく思っている。今後も防疫管理本部と協力し、新型コロナの迅速な克服を目指して最善を尽くす。」と表明した。

なお、新天地の代表であるイ・マンヒ氏(89)は、現在「防疫妨害罪」などの疑いで身柄を拘束されている。新天地側のこの態度が、どのように防疫を妨害しているというのだろうか。
新天地の血漿提供開始を報じた韓国メディアには「(クラスターとなった)当初、新天地を罵ったことが申し訳ない」「早く新型コロナが終息することを願います」などのコメントが寄せられた。

血漿成分献血は、一般的な全量献血とは違い、一度採取した血液から血漿のみを抽出し、体内に戻す必要がある。そのため、血管への負担は大きく、時間もかかる。かかる時間には個人差があるが、概ね40~90分程度だ。

新型コロナの完治者による血漿提供は、27日から9月4日まで大邱陸上振興センターで行われる。彼らの提供する血漿が有効活用され、いち早く新型コロナの流行が収まることを願うばかりである。
[記者:永井みこと]

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