韓国が国内産の新型コロナ治療薬を今月中にも発売か

2020年 9月 13日(日曜日) 18:09

今年2月の新型コロナ流行から人々の暮らしはすっかり変わってしまった。飲食店やホテルなど観光産業をはじめ国内の経済も冷え切った。国民も今年の猛暑をマスクで過ごすことを余儀なくされ、疲労や気の緩みから感染拡大の第二波が懸念されている。

そんな中、韓国から早ければ9月中に新型コロナ抗体治療薬が出るとのニュースが届いた。現在臨床研究中とのことだ。

新型コロナ治療薬には抗体治療薬と血漿治療薬の2種類がある。どちらも完治者の血液を利用するが、抗体治療薬は新型コロナに対抗できる抗体を発見した後、複製または培養して大量生産することが出来る。抗体治療薬は長期的に病気を防ぐことはできないが、一時的な症状の緩和や差し迫った感染への予防が期待されている。

9月に発売予定の抗体治療薬は、レムデシビルのように緊急承認されればすぐにでも治療薬として使用可能だ。

しかしWHOによると新興・再興感染症の治療薬として最も期待されるのは血漿治療薬だという。韓国では現在、GC緑十字が高免疫グロブリンの製造技術を利用して血液製剤を作っている。しかしこれには大量の血液が必要となる。

そこで2月〜3月にかけて6000人近くの感染者が出た新天地大邱(テグ)教会の信者らが、政府の血漿治療薬開発のニュースを聞いて、血漿提供に乗り出した。7月と8〜9月にかけて行われた血漿提供に1600人余りが参加し、これが血漿治療薬の開発を加速度的に進めた。

新天地関係者は「(集団感染により)国民に不安を与えたことを申し訳なく思う気持ちがある。また国から無償で治療を受けたことに感謝して血漿提供に参加した」と延べている。治療薬の1日でも早い開発が望まれる中、こうした働きはありがたいことだ。

日本でも大手製薬会社が血漿治療薬開発に乗り出しているが、新型コロナ完治者からの血漿提供が無いことには治療薬の開発は進まない。海外のこうした完治者の自発的な働きをみて、日本でも完治者の血漿提供、そして何より感染者への理解が深まることを願う。

記者:hiro

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