新型コロナ回復者の新天地信者4,000人余りによる血漿提供が開始、治療薬開発への更なる一歩に期待――韓国・大邱市
2020年 11月 16日(月曜日) 16:42
今月16日、韓国・大邱(テグ)市の陸上振興センターで、新型コロナ回復者による団体血漿提供が始まった。来月6日までの3週間で、4,000人余りの回復者が血漿提供に参加する見込みだ。
血漿提供をおこなっているのは、韓国・大邱市の新天地イエス教会(以下、新天地)の信者だ。
そもそも、新天地大邱教会が多くの新型コロナ感染者を出したのは、今年2月まで遡る。新型コロナ流行当初であった2月は、各国で新型コロナに対して防疫策が講じられる以前だった。
政府から日常生活を送ることを推奨されていた最中、新天地大邱教会に通う女性信者1人の感染が発覚した。新天地は即日、韓国内外の教会や宣教センターで予定されていた対面での活動を停止したが、新型コロナの潜伏期間は14日間といわれている。迅速な教会側の対応も虚しく、瞬く間に信者らへと感染が拡大してしまったのだ。
彼らが病床から回復し始めた6月末、約4,000人が血漿提供の意思を表明したことが報道された。新型コロナの回復者の血漿には抗体が含まれており、感染者へ投与する血漿療法や、治療剤の開発のために必要とされるものである。
そして、大韓赤十字社や大邱市との協力のもと、7月13日から17日にかけて一次、8月27日から9月4日にかけて二次の団体血漿提供が実現した。今月16日から来月6日にかけての団体血漿提供は、これらに続く三次団体血漿提供だ。
一次提供では628人、二次提供では1,018人が血漿提供に参加した。加えて、個人献血に参加した信者もおり、11月3日までに計2,030人もの新天地信者が、既に血漿提供をおこなっていたと韓国中央防疫対策本部のクォン・ジュンウク副本部長の会見で明らかにされた。
血漿成分献血は、一般に最短2週間の期間が空けば再度提供をおこなうことができ、この期間に複数回の血漿提供をした信者もいた。今回の三次提供への参加者数が4,000人余りとなると、新天地信者による協力者数は累計で6,000人を超えることになる。これは韓国国内の回復者数とされる約25,000人のおよそ25%を占める数字だ。韓国のGC緑十字では、多くの回復者血漿を用いて、血漿治療剤の3次生産もおこなわれているという。
日本では現在、各地で新型コロナの感染者が増加しており、日本医師会の中川俊男会長は今月11日午後の会見で「第3波と考えていいのではないか」と述べた。一方で、国土交通省の赤羽一嘉大臣は13日午前の会見で「GoToトラベル」の期間を2月末まで延長する考えを示している。
気兼ねなく出かけられるようになるためには、治療剤の完成や治療法の確立が重要だろう。韓国での新たな動きを知って、私たち日本人はどう動くべきか。今一度、考えてみてほしい。
[記者:永井みこと]
新天地イエス教会証拠幕屋聖殿のブログには、新天地での活動や関係する記事を掲載しています。
https://ameblo.jp/scj-osaka/entrylist.html
お問い合わせ
兵頭
scj.osaka@gmail.com
血漿提供をおこなっているのは、韓国・大邱市の新天地イエス教会(以下、新天地)の信者だ。
そもそも、新天地大邱教会が多くの新型コロナ感染者を出したのは、今年2月まで遡る。新型コロナ流行当初であった2月は、各国で新型コロナに対して防疫策が講じられる以前だった。
政府から日常生活を送ることを推奨されていた最中、新天地大邱教会に通う女性信者1人の感染が発覚した。新天地は即日、韓国内外の教会や宣教センターで予定されていた対面での活動を停止したが、新型コロナの潜伏期間は14日間といわれている。迅速な教会側の対応も虚しく、瞬く間に信者らへと感染が拡大してしまったのだ。
彼らが病床から回復し始めた6月末、約4,000人が血漿提供の意思を表明したことが報道された。新型コロナの回復者の血漿には抗体が含まれており、感染者へ投与する血漿療法や、治療剤の開発のために必要とされるものである。
そして、大韓赤十字社や大邱市との協力のもと、7月13日から17日にかけて一次、8月27日から9月4日にかけて二次の団体血漿提供が実現した。今月16日から来月6日にかけての団体血漿提供は、これらに続く三次団体血漿提供だ。
一次提供では628人、二次提供では1,018人が血漿提供に参加した。加えて、個人献血に参加した信者もおり、11月3日までに計2,030人もの新天地信者が、既に血漿提供をおこなっていたと韓国中央防疫対策本部のクォン・ジュンウク副本部長の会見で明らかにされた。
血漿成分献血は、一般に最短2週間の期間が空けば再度提供をおこなうことができ、この期間に複数回の血漿提供をした信者もいた。今回の三次提供への参加者数が4,000人余りとなると、新天地信者による協力者数は累計で6,000人を超えることになる。これは韓国国内の回復者数とされる約25,000人のおよそ25%を占める数字だ。韓国のGC緑十字では、多くの回復者血漿を用いて、血漿治療剤の3次生産もおこなわれているという。
日本では現在、各地で新型コロナの感染者が増加しており、日本医師会の中川俊男会長は今月11日午後の会見で「第3波と考えていいのではないか」と述べた。一方で、国土交通省の赤羽一嘉大臣は13日午前の会見で「GoToトラベル」の期間を2月末まで延長する考えを示している。
気兼ねなく出かけられるようになるためには、治療剤の完成や治療法の確立が重要だろう。韓国での新たな動きを知って、私たち日本人はどう動くべきか。今一度、考えてみてほしい。
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