韓国・新天地信者4,000名超が新型コロナ回復者血漿提供を開始、中央防疫対策本部クォン副本部長も見学に

2020年 11月 16日(月曜日) 22:58

今月16日から来月6日にかけ、韓国・大邱市で新型コロナから回復した新天地信者による団体での血漿提供が行なわれる。今回は、回復した信者の大半を占める4,000名超が参加の意思を表明しており、期間・参加者数ともに過去最大の規模となる見込みだ。
なお、新天地の団体血漿提供は7月中旬と8月末に続く三度目。個人で血漿提供を行なった信者も含めると、11月3日時点で述べ2,030名分の回復者血漿が採取されている。

また、初日である16日、韓国中央防疫対策本部のクォン・ジュンウク副本部長をはじめとする政府関係者らが、会場となった大邱市の陸上振興センターを視察した。クォン副本部長は、今月3日にも「新天地の積極的な参加と、大邱市と大韓赤十字社の協力に感謝する」などと述べている。

なぜ政府関係者が、公式に繰り返し謝辞を述べているのだろうか。その理由は、韓国国内の回復者血漿提供の実状にあった。
韓国では、新天地信者による団体血漿提供の場以外にも、血液管理センターが全国46ヶ所で回復者血漿の採血が実施されている。来月からは57ヶ所に拡大予定だとされているが、今月15日現在で一般の回復者血漿提供は48名と、かなり低い参加率を示しているのだ。

今月3日には、GC緑十字で開発された血漿治療剤「GC5131A」の三次生産が始まったが、そこには240Lもの回復者血漿が投入された。一般参加者48名全員から200mLの血漿を採取したとしても、その量は9.6Lと遠く及ばない。
三次生産された血漿治療剤は臨床研究機関以外の医療機関に供給され、世界で初めて患者に使用される予定だという。新天地による三度の団体血漿提供がなければ、世界に先駆けた臨床研究は不可能だったと言っても過言ではないだろう。

日本で臨床研究を行なっている国立国際医療研究センターでも、回復者血漿の採取は難航しているようだ。
しかし、東京都内の感染者数だけでも、韓国全体の感染者数を上回っていることをご存じだろうか。つまり、日本国内を見渡さずとも、臨床研究機関のある東京都内だけで、研究を円滑に進められるだけの力を秘めているというわけだ。
感染症の抗体は回復者血漿のなかにあり、新型コロナの回復者血漿は新型コロナ回復者からでなければ採取できない。韓国と日本の現状を、あなたはどう考えるか。

[記者:天野司]

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