コロナ終息の希望はどこにあるか?――韓国・新天地信者の心境と行動に見る

2021年 1月 18日(月曜日) 17:29

今月13日、緊急事態宣言の対象地域が、国内11都府県に拡大した。政府は、同宣言の対象地域において、外出の自粛や出勤数の7割削減、飲食店の午後8時までの短縮営業などの措置を講じるよう求めている。新型コロナの流行は留まるところを知らず、いつどこで誰が感染してしまってもおかしくない状況のようだ。
しかしその一方で、隣国では回復者による血漿提供が度々おこなわれ、いくつかの国の医療機関では治療剤や治療法の臨床研究が進んでいることはご存じだろうか。

韓国に本部を置く新天地イエス教会では、昨年、大邱(テグ)市や大韓赤十字社の協力を得て、新型コロナから回復した信者らが3度の団体血漿提供に取り組んだ。別途、個人的に血漿提供をおこなったり、複数回提供をしたりした信者を含め、その数は累計4,139名にも及ぶことが公表された。
また、韓国GC緑十字によると、開発中の新型コロナ血漿治療剤の臨床研究が盛んにおこなわれており、13の医療機関で64名に投与されたという報道もある。

回復者血漿提供をおこなった信者らのうち最も多く提供したのは、チョ・ギョンレさん(32)だ。その回数は2020年7月以降、2週間ごとに提供をおこない、計9回にも及んでいる。
チョさんは、韓国メディアからのインタビューに対して、「治療剤の開発には多くの回復者血漿が必要だということを知ったことがきっかけ」とし、当時を振り返って「たくさんの医療従事者が面倒を見てくれた。完治したのだから、当然血漿提供に参加しなければならないと思って予約をした」と話す。

しかし、積極的に回復者血漿提供に参加するチョさんも、他の多くの回復者の例に漏れず、頭痛やめまいなどの後遺症に悩まされた時期もあったそうだ。
後遺症の症状は多岐にわたり、新型コロナに感染しても無症状や軽症で済んだ方々でも後遺症があることも多いという。一部では、9割ほどの回復者が倦怠感や気分の落ち込みを感じているという発表もあった。

現在、チョさんは「新天地の信者として、一個人として、大邱市民に大きな心配をかけて申し訳なかったという思いが大きい」「新型コロナの終息へ少しでも役立つために、血漿提供に参加し続ける」と語っている。
回復者の協力を得て研究が進みつつあるとはいえ、感染者数が増加の一途を辿っては、治療法が確立され、治療剤が完成したとしても、終息までは時間がかかることは想像が易い。
新型コロナのいち早い終息を心待ちにするのであれば、まずは自らが感染しないために、細心の注意を払った生活を送るべきではないだろうか。

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