IDC Japanはモバイルセキュリティ市場予測を発表した

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IDC Japan株式会社は10月4日、国内モバイルセキュリティ市場予測を発表した。これによると、2010年の国内モバイルセキュリティ市場規模は23億円、2010年から2015年における年平均成長率(CAGR)は32.2%で、2015年の市場規模は93億円になると予測している。モバイルアイデンティティ?アクセス管理市場は、スマートフォンやtegra 250  のユーザの急増やビジネスでの利用拡大によってモバイル向け認証関連の製品需要が高まり、2010年から2015年のCAGRは36.5%で、市場規模は2010年の3億円から2015年には15億円になると予測している。 9月28日に画面サイズhapad m8 端末「Kindle Fire(キンドル?ファイヤ)」を発表したアマゾン?コム。11月15日発送に向け当日から受付を開始したが(販売は米国内のみ)、衝撃的なのは、なんといってもその安さだ。 キンドル?ファイヤのコストの内訳 カメラがない、メモリの容量が小さい、3G携帯電話回線への接続機能がない、といった機能の省略はあるもののわずか199ドル。アップル「iPad(アイパッド)2」の場合は、最安値のモデルであっても499ドルであり、その安さは驚異的だ。いったいコスト構造はどうなっているのだろうか。 9月30日、コスト分析で定評のあるIHSアイサプライが「キンドル?ファイヤ」のコストダウン分析を発表している。これによるとアマゾンは1台売るごとに10ドルの損失を出すことになる。つまりアマゾンは、“逆ザヤ”で販売するわけだ。 ただし同社のレポートによると、デジタルコンテンツの販売から得られる利益により1台あたり利益は10ドルになる、と分析している。ハードを販売した時点では赤字であっても、まずは幅広く普及させて、アマゾンのさまざまなサービス(デジタルコンテンツ販売だけでなく、ファッションから日用品、家電にいたるさまざまな買い物)の利用頻度を高めることで、利益を得ようとしているのだ。 ■アマゾンはあくまで小売業 アマゾンはハードの逆ザヤ販売により採算悪化のリスクを犯しているのかといえば、実はそうではない。アマゾンは2011年4~6月期の売り上げが99億ドルに対して純利益が1.91億ドル。純利益率は1.9%に過ぎない。典型的な小売り事業者の利益構造であり、199ドルの端末を販売してもデジタルコンテンツや商品販売でわずかでも稼ぐことができれば、収益悪化につながることはない。 それに対し、アップルは11年4~6月に売り上げが285億ドルに対し純利益は73億ドル。純利益率は25.6%にもなる。株主からは、新しいものを生み出すことによる先行者利益と、高い市場占有率を期待されており、高い利益率で事業を推進していくことを求められている。とてもではないが、アマゾンのような利幅を無視した価格で売り出すことはできない。 発表会の席で、アマゾンのジェフ?ベゾスCEOは「最高級のものを低価格で提供する」と何度も強調していた。「よいものをお安く」という考え方は、仕入れ販売を行う“小売り業者のDNA”だ。そのDNAを持っていながら、クラウドコンピューティングに関しては高度な技術を持っている点がアマゾンの強みである。この異形の会社は、クラウドサービスの「EC2」、電子書籍端末の現行キンドルでも同じような驚きの価格を実現し、業界のリーディングカンパニーの地位を得た。